カテゴリー別アーカイブ: 日本紀行

動物園にて

先日、動物園に行ってきました。

上野や旭山などの人気の動物園ではなく、公立の小さな動物園なので、

冬の平日ということもあって園内はそれほど混んでおらず、

かといって寂しさを感じさせることもなく、

のんびりと散歩を楽しむことができました。

子どもの頃から動物園が大好きでした。

大きな猛獣、珍しい動物、かわいらしい生き物たち、

子どもの視点や想像力にとって、動物園はこれ以上ないほどの刺激でしたから。

大人になった今でもあのときのワクワクした気持ちは忘れることはありませんが、

大人になったおかげで動物園の楽しみ方にも変化が起きたように思います。

ニホンザルの檻では群れの中の人間関係ならぬ猿間関係を観察したり、

クジャクの目にも鮮やかな美しい尾羽とその実用性との進化の哀しみを感じたり、

伴侶を亡くしたばかりの白鳥のメスの孤独に共感したり、

と思えば見学に来ている幼稚園児や小学生たちの、

動物を前にしたときの行動をひそかに観察して楽しんだり。

家族づれ、一人で来ているサラリーマン風の男性、カップル。

動物園は人間を観察するのにも、そして人間と動物の関係を考えるのにも

とてもおもしろい場所だということに気づいたのです。

そして檻の向こうから動物たちに観察されているのは、

実は人間のほうかもしれないということも。

日々の生活や人間関係にちょっぴり疲れたら、

癒しや刺激が必要だと感じたら、

動物園はおすすめです。

 

旅に出よう!

気がつけば9月。

例年なら8月後半から少しずつ涼しくなって、夜になると虫の音が寂しく響いて、

「ああ、もう夏も終わりだなあ」と感傷的になったりするのですが、

今年の8月はずっと暑くて、夏の終わりも秋の訪れも感じないまま9月を迎えました。

この暑い夏を都会でじっと耐えしのぎ、これから少し遅めの夏休みです。

 

先日から我が家では旅の準備で大忙し。

「何を着ていこうか」「何を持っていこうか」などなど。

今度の旅ではどんな場所に出会えるのか、

どんな自然、人、そして味に巡りあうのか、

想像をふくらませながらバッグに持ち物を詰めたり、また出したり。

この時間が大好きなんです。

だってもう旅は始まっているから。

 

カーナビを使わない旅

今年の夏、バイクでツーリングしていて「去年までと違う」と感じたのは、
ライダーが持っているものが携帯電話からスマートフォンに変わり、
そしてカーナビを取り付けているバイクが増えたこと。

250ccの小さなバイクでも当たり前のようについていて、
みな口をそろえて「これ、便利ですよー」と。

当方はいまだ地図オンリーのオールド・スタイルを貫いているため、
そんな最新鋭の便利グッズを携えた旅がちょっぴりうらやましい。
ですが、強がりではなく、あえてカーナビはつけていないのです。
これからもカーナビと旅をすることはないでしょう。

なぜって?
とあるキャンプ場でのとあるライダーとの会話。
「昨夜はどこのお風呂に入ったんですか?」
「えーとね、ここからすぐ近くの……」
「あ、○○温泉ですか」
「そ、そうかな? カーナビで近いところ探して行ったから名前はわからないんだけど」
「えー!」

カーナビに頼ると、目的地の地名を覚えなくても行けちゃうんですよね。
地図フェチとしては、目的地までの地名、交差点の名前、途中のランドマーク、
とにかく地図を「読む」のが好きなので、それはちょっともったいないと思ってしまう。

それに何より、迷子になりたいのです。
あえて、積極的に迷子になる。
そして困って、地元の人に道を尋ねる。これが楽しいのです。
コンビニのお兄さん、散歩中のおばあちゃん、ときには小学生にも聞いてみます。
たいていみんな、ものすごく親切に教えてくれます。
ときには間違った道を教えられてエライ目に遭うこともありますが、
その出会いひとつひとつが楽しくて、新鮮。
迷子になるために旅に出る、といっても過言ではないくらい。

もちろん目的地まで最短に、スマートにたどり着くのが旅であるとか、
目的地に着いてからゆっくり楽しんだほうがいいじゃない、という意見もありますが、
いつもと少し違った旅がしたいなと思ったら、
ときにはカーナビを使わない旅をおすすめします。

頼れるのは地図と、それを読む自分の力と、ちょっとしたコミュニケーション能力、
そして最後はなんといっても野生的な勘。
自由を感じる旅になること請け合いです。

バイク・ツーリングのすすめ

 

今年の夏もバイクでツーリングに行ってきました。
テント、寝袋、地図、ガスストーブ、調理道具、そして食料、
それだけでじゅうぶん生活ができるという必要最低限度の荷物を積んで、
風の吹くまま、気の向くままに西、東。

最近、日本ではオートバイの新車の販売低迷が続いているというニュースをよく耳にします。
たしかに、毎年のように旅をしていても、
以前は過積載気味の荷物を満載した中型・小型バイクにたくさん出会いましたが、
徐々にバイクは大型が増え、しかも海外メーカーの車種が増え、
より高速に、スマートに、ツーリングを楽しむ人の割合が多くなったと思います。

旅のスタイルは変化してきていますが、
風を感じて、風と一体になって走る楽しさは格別です。
大げさなようですが「生きててよかった」と思える瞬間なのです。

そんなバイクの楽しさ、ツーリングのおもしろさ、素晴らしさを
軽妙な語り口で教えてくれる本があります。
落語家の柳家小三治師匠の書いた『バ・イ・ク』(講談社文庫)です。
これを読んだらきっと、バイクで北海道に行ってみたくなりますよ。